湖東三山その2



最近webデザインの世界では、iPadflashに対応していないということで、「iPad対応」と称してhtmlが復権しそうな感じです。
携帯用サイトで半角カナが復活したように(昔から「インターネットでは半角カナは使ってはいけない」「いやいけなくない」という論争があります)、ハードが変わればソフトも変わるものですが、ここへ来てライトな方向にシフトするとは意外な展開です。
個人的にはhtmlで十分だと思っているので歓迎なのですが。


◇◇◇◇◇


湖東三山の2つ目は金剛輪寺


聖武天皇の勅願で行基が開山し、今でも行基が彫ったと伝わる仏像が本尊として祀られています。


百済寺と同様にノブ様にお灸を据えられかけたのですが、住僧が山手に火を燃やし、本堂炎上と告げたため、本堂や三重塔は難を逃れたということです。
とっさに機転を利かせた、というヤツですね。


湖東三山は比叡山の勢力下にある天台宗のお寺です。
あまり認識していなかったのですが、天台宗ということは、山岳密教の要素があるわけです。
つまり山の中というか山の上にあるわけです。
門をくぐって境内に入っても、すぐに本堂が拝めるわけではないのです。
長い参道というか山道を上らないと本堂には辿りつかないのです。


要は「雨の日に革靴で行くもんじゃない」ってことです。


そのことに2番目の金剛輪寺でようやく気付きました…。


そしてまた、本来「山号」というのは本当に山のことだったんだなあ、と納得しました。
山のない東京近郊にいると、「成田山新勝寺」のように実際は山じゃないのに「○○山」という、一種のキャッチフレーズ的な「山号」に慣れてしまうんですよね。




このように参道には千体地蔵が立ち並んでいます。


ところで、以前訪れた恐山でもこういった風車を目にしたんですが、プラスチックが普及する前はどういった光景だったんでしょうか。色紙で風車作ってたんでしょうか。


5分ほど上っていくと、二天門が見えてきます。



それをくぐると、元寇の戦勝記念に建てられたという本堂「大悲閣」(国宝)が現れます。



蔀戸の格子が美しいです。


その横奥には朽ち果てていた最上層が復元された「待龍塔」と呼ばれる三重塔(重文)が。



実は、この三重塔を修復した宮大工の松浦昭次氏の著作『宮大工と歩く千年の古寺』を読んで今回の滋賀の寺巡りを計画しました。
京都や奈良の寺院の見所も書かれているので、下手な観光ガイドブックを買う前にこの一冊をオススメします。




宮大工と歩く千年の古寺―ここだけは見ておきたい古建築の美と技 (祥伝社黄金文庫)
松浦 昭次
祥伝社
おすすめ度の平均: 4.5
5 過去と未来を繋ぐバランス感
4 いにしえへのロマン