2011年度グッドデザイン賞総括



さて、大賞はホンダの震災直後からのカーナビの通行実績サービスだったわけですが、
プロジェクトとしては文句なしに素晴らしく、表彰されるのも当然なものですが、
DESIGNのAWARDの大賞、として献賞するべきなのかはちょっと疑問ではあります。
ただ、ビッグサイトで見たプロモーション映像はこの夏に40歳の若さで亡くなったレイ・ハラカミさんのサウンドが素敵でした。


事前に大賞かな?と思っていたパナソニックのLED電球はプレゼンが悪かったように思います。
今更LEDの大義を唱えなくてもそんなことは日本人は皆わかっているので、
そんなことではなく、この電球自体の魅力、フィラメントのような表現が出来た、
ということをもっと伝えるべきだったと思います。
あの魅力のない動画でのプレゼンを見て、私は15ポイント全部入れるつもりだったのを、票を入れるのやめました。


グッドプレゼン賞ではないのですが、それにしてもプレゼンがダメではダメでしょう。


毎年ダメなのがサムスンです。
わざわざ日本語を吹き込んだ映像を作ってくるのに、中身のないCMみたいなプロモーション映像で、
ただ「ワンデザイン(one design)」を繰り返すだけ。
テレビのフレームが極力細くなるように、というのは方向性としては誰もが目指しているものであり、特別なものではありません。
それをどうやって実現したのか、こそが皆の関心事であるわけで。
アメリカの匂いを強く感じさせるサムソン(やLG)の家電には魅力あるものもありますが、
毎年のプレゼンを見ると、わかってるんだかわかってないんだかよくわからない会社だなあと思います。


九州新幹線はあまりにしゃべりが拙く、論外と言わざるを得ないものでした。
偉い人がしゃべるんじゃダメで、デザイナーがしゃべるべきだと痛感させられました。
正直どこが既存の新幹線と比べて優れているのか、聞いていてもさっぱりわからず。


慣れてるな、と感じさせるちゃんとしたプレゼンは日本設計とマイクロソフトの方でした。
特にマイクロソフトキネクトはプレゼンテーションはよどみなく、良かったのですが、
おそらくその高い技術に対して家庭用ゲーム、というアウトプットに
あまり共感が得られなかったと見え、最下位でした。


個人的には、表彰式での投票の方が盛り上がると思います。
プレゼンテーションも画面越しと直接聞くのでは大分違うでしょうし。
あと、一般投票は電子投票だったらしいのですが、
メールアドレス他の入力が面倒だということで、デジタルデバイド以前の
ユーザーフレンドリー上の問題が横たわっていたように思います。
私だってキーボードじゃないタッチパネルでアドレスの入力とかしたくないですから。




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