エンジニアリングとデザインのマリアージュ



GOOD DESIGN EXPOをきっかけに4年半ぶりに再会した学生時代の同期に
招待頂いて、takramの田川欣哉さんのレクチャーを拝聴しに
渋谷のDensoの東京ブランチにお邪魔してきました。


田川さんは山中俊治さんのお弟子さんで
東大工学部出身のデザイナー&エンジニアの方。
入学は2年違いですが、私は最初から工学部ではないので
直接の面識はありません。
http://www.takram.com/


最近ではiPadiPhoneアプリMUJI NOTE』の開発をされています。
http://www.muji.com/jp/app/
今まで『MUJI NOTE』の何が良いのか理解できていなかったのですが、
レクチャーを聴いて、実際に触ってみて、その良さがよくわかりました。
かなり「普通にノートとして」使えそうな感じ。


久しぶりに耳にする、東大の機械(精密機械含む)の人特有の語り口での
今までの多彩なプロジェクトに関するレクチャーを拝聴していて感じたのは、
エンジニアリングとデザインの絶妙な関係の一つの理想系だな、ということ。
工学ってすげえ!格好いい!と思いました。


と同時に、そこを今更目指しても仕方がないというか、
明らかに自分のバックグラウンドにエンジニアリングはないな、ということを痛感。
今のところ農学もしくは生物学のバックグラウンドを活かせていないので、
それではいけないなあ、と。


例えば最近、『13歳の少年が画期的な太陽光発電モデルを発表し注目を集める』というニュースがありました。
http://rocketnews24.com/2011/08/21/123417/
http://hardware.slashdot.org/story/11/08/19/1218219/13-Year-Old-Uses-Fibonacci-Sequence-For-Solar-Power-Breakthrough
植物の葉の位置(葉序といいます)がフィボナッチ数列に従っている、と言うことを知り、
それをソーラーパネルの配置に応用した、ということらしいのですが、
これ、農学の基礎なんですよ。

植物は効率良く太陽光を利用できるように葉を展開するわけです。
特に日本の農学ではイネを必ずやるので、こういった葉の空間的な配置は
私が講義していた『農学の基礎』という授業の初回に話すような内容です。
それを今まで誰も活用していなかったというのは驚きというか盲点でした。


ある分野では初歩中の初歩、といったことも他の分野に持っていくと画期的、
というこういった例は他にも色々あると思いますし、
なんだかくねくねしたキャリアを積んできたことも無駄にならないだろう、と。



レクチャーの後は懇親会。
GOOD DESIGN AWARDの二次審査の結果内示日でもあったので
それぞれ自分の出展製品どうだった?といった会話もあり。
こういうところに来ている人は皆さん実力者なので、
この日は残念な結果は耳にしませんでした。