サヴォワ邸への厳しい道



最近上野の西洋美術館付近で「コルビュジェ建築を世界遺産に」というのを見かけますが、まあ時間の問題でしょう。


この日の目的地はパリ郊外Poissyにある、ル・コルビュジェ大先生の不朽の名作サヴォワ邸。


ところでよく「○○郊外」という表現を目にしますが、どのくらい離れているのかわかりづらい表現です。
「東京郊外」と言ったらどこら辺なんでしょうか。
ここでの「パリ郊外」はそんなに大した距離ではありません。


ポワシーの駅はパリ中心から電車(RER)で西に20分ほど。
東京でいえば三鷹くらいでしょうか。
決して八王子ではありません。
東京駅からだと結構遠いけど、新宿駅からなら割とすぐ、という程度の場所です。


さて、そのポワシーの駅に着きました。



いざ行かん、サヴォワ邸!


サヴォワ邸には以前一度来たことがあるのですが、歩いて行ったら結構疲れる距離だった記憶があります。
そこで今回はバスで行くことにします。
バス乗り場2番から50番の「Le Corbusier」を経由するバスに乗れば良いことは事前に調査済みです。


さて、バス停はいずこ。




…バス停はいずこ!? ( ̄ロ ̄lll)



写真のとおり駅前広場にはロータリーもバス停もありません。
広場前の通りをバスがときどき左から右に走って行きます。
しかし駅前停留所らしきものが見当たらないのです。
駅まで乗ってきた乗客がぞろぞろ降りる場所があると思うんですが??



さて皆さん、ここで問題です。
実は上の2枚の写真のいずれかでバス乗り場はわかるのですが、おわかりになるでしょうか。



私はというと、何度か通りを渡ってはきょろきょろ、戻ってはきょろきょろ。
ちっとも見つけられません。ただ時間だけが無駄に過ぎていきます。
10分くらいして自力捜索を諦めましたが、歩く気にはなれなかったので現地の人っぽい人に訊くことにしました(英語通じるかな…)。


乳母車を押している女性が通りかかりました。この人は観光客ではないでしょう。
バス停の場所はご存知ですかと訊いてみたところ、英語でなにやら説明してくれました。
…が、よくわかりません。
それを察したのか、途中で向こうも説明を諦め、「come.」と言って歩き出しました。
親切な人です!
…が、彼女は明らかに駅舎の入口に向かって歩を進めて行きます。
「え〜…バスって言ったのに伝わらなかったのかなぁ…しかし付いて行かないわけにもいかないし困っちゃったなぁ」
と思いながら付いて行くと、やっぱり駅の入口に着きました。


やっぱり…(-_-;)、と思っていたら、彼女は右手を指しました。


へ?(単に駅舎に連れてきたわけじゃなかったのね…)


と、そちらに向いてみると、




うわーーーーーーーーーーーーーー



駅舎の壁沿いにバス停へ通じる隠し通路あったーーーーーーーーーーーー!!?


こっ、これは…


グーグルアースで事前に見ていたとしても、こんな屋根付きの道はわかりませんな。
しかも何だよこの細さ!


というわけで、駅舎を出たら即左折しないとバス停には行けないのでした。
しかもこの道結構長いです。
バスがすぐ見えるわけじゃないんです。
サヴォワ邸に行く時迷った、てあんまり聞かないんですけど、皆よく迷わないな…。



では解答編です。


さっきの写真の明るさとコントラストをいじってみますと、



さらに左の出口の方を拡大すると、



確かにバスのマークが書いてあるわ…(´Д`lll)


南向きで逆光だし、よーし行くぞー、と気がはやってる観光客がこんなん気付くかっつの!!ヽ(`Д´)ノ




サヴォワ邸への厳しい道、次回に続きます。