東北グリーンエナジープロジェクト



先日東北グリーンエナジープロジェクトの実験圃場を見に福島県に行ってきました。
http://touhoku-green-energy.jp/



東日本大震災時の原発爆発事故による放射性物質の飛散に対する情報開示は基本的に信用していません。
今でも西に避難するべきかなという気持ちもあります。
私も理系の端くれなので、きちんとした測定がなされたデータを提示されれば納得しますが、
例えば土壌の放射性物質測定が地表から15cmの深さ、とか全然ダメだと思います。
浅根性の作物とか15cmの間にどれこくらい根を張ると思ってるんだ、と。
瓦礫の日本全国各地への移送も運送会社にお金をまわしたいからだとしか思えませんし
(実際に瓦礫見たので、運んで処理しないとどうにもならない、というのは理解できますが、拡散させるのは愚策でしょう)
除染せずに農作物を作って日本中で「食べて応援」とか意味がわかりません。
まずすべきは除染でしょう?
その間農業は控えるべきだし、その間の損失分は賠償なり補助金なり全国からの寄付金なりで支えるべきですよ。


そんな訳でとにかく除染が行われないと話にならないと私は考えています。
また、東京に残って生活する決断をした以上、ちょっとでも東日本の復興に貢献したいという思いがあります。
デザイナーとしても、元農学者としても。


というわけで注目しているのが本プロジェクトです。



見に行った場所は福島県の岩瀬牧場。
http://www.iwasefarm.com/


日本最初の国営牧場(旧宮内庁御料牧場)で、文部省唱歌『牧場の朝』のモデルとなった牧場です。
下の写真のような古い牛舎などもありました。




震災後、チェルノブイリ事故の除染にヒマワリが用いられていた、という報道を目にした方も多いかと思います。
そのヒマワリの数十倍〜数十倍セシウムを吸収する植物を栽培して除染をし、
なおかつバイオエタノールを作り発電を行おう、という素晴らしいプロジェクトです。


私は必ずしもバイオエタノール発電推進派ではありません。
植物性プラスチックもそうですが、人間の食糧とバッティングしてしまうと意味がありません。
エネルギー問題と食糧問題は有限の資源の分配の問題なので。
ただ、今回の原発事故の被害に会った土地では食糧生産とのバッティングという問題にはならないので、非常に有用だと思います。


本プロジェクトで使われている作物「ソルガム」、和名はモロコシです。
トウモロコシは外国(唐)から来たモロコシってことですね。
トウモロコシの原産は南米ですけど。
当然モロコシにもいろいろな種類や品種があり、
セシウムを思いっ切り吸う品種もあればそうでもない品種もあるわけです。
本プロジェクトでは色々な品種が試験栽培されています。



除染という意味でも、土地の有効活用という意味でも、
被災地に新たな産業を生む、という意味でも、
本プロジェクトを応援していきたいと思います。


◇◇◇◇◇


東京に戻って後輩二人(国家公務員)にこの話をしたら
「信用出来ない」だの「どうやってデータを取るのか」(普通にサンプリングして測定するだけだと思うのですが…)だの「話がうますぎる」「自分だったらその計画承認できない」とか言われて唖然としました。
文系の人間って東大でもこのレベルなのかと。
まあ酒の席なので私の説明が悪かった可能性もありますけど。


前も書いたかもしれませんが、東大は秋入学とか寝言ほざいてないで、
何か改革した実績が欲しいなら、また東大だけでなく日本社会全体のあり方を考えるならば
「文系」というくだらない区分を廃止するべきです。
自分たちで「ことわり(理)のない科」とか卑下してる場合じゃないでしょう。
単に学科だけの区別でいい筈です。
その方がよっぽど日本の為になるでしょう。




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